世界有数の金融機関だったクレディ・スイスが経営危機に陥り、スイス最大手UBSによる救済合併が完了して、6月で1年となる。合併でUBSの総資産はスイスの国内総生産(GDP)の約2倍に達した。巨大銀行を抱える小国スイスのリスクが議論を呼んでいる。 関連記事 巨大銀行が自由主義経済を歪める? クレディ・スイス破綻の遺産 「率直に言って、救世主とみられていた私たちがここまで早く、国家の将来の潜在的リスクのように扱われるとは思わなかった」。UBSのセルジオ・エルモッティ最高経営責任者(CEO)は5月15日、スイス北部チューリヒで開かれた講演会で、不満を語った。 2023年3月、米銀破綻をきっかけとする信用不安が欧州に飛び火し、不祥事続きで信用力が揺らいでいたクレディ・スイスは株価が大幅に下落、経営危機に陥った。UBSはスイス政府の後押しを受け、約32・7億ドル(約4300億円)で同社の買収を決めた。
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