「日本のスパコンは2位でいいらしいですね。なら世界一は、うちがいただきます」 6月4日、スーパーコンピューターの国際学会が開かれた茨城県つくば市の国際会議場。理化学研究所で次世代スパコンを開発する平尾公彦準備室長は講演後、中国人研究者に声をかけられた。 「世界一を狙えと、政府からハッパをかけられている」と続ける中国人研究者。昨年の事業仕分けで説明に立ち、「2位じゃだめですか」と切り込まれた平尾さんは「姿勢の差は歴然」と感じた。 国際学会には日米欧、中国、韓国、台湾などから約180人が集まった。平尾さんの講演は、朝一番だったにもかかわらず立ち見が出る人気。終了後も質問する研究者に20分間取り囲まれた。 米国では来年以降、スパコンの新設計画が目白押し。中国は投じる予算が日本より1けた多いとうわさされる。 国際学会を運営した京都大学の中島浩教授は「スパコンをリードすることが、科学技術全体のリード