「この秋から低価格な5G(第5世代移動通信システム)スマホが続々と登場する。5G祭りになるだろう」——。ソフトバンクの宮内謙社長兼CEO(最高経営責任者)が2020年8月の決算会見で語った通り、ここに来てミドルレンジ価格帯の5Gスマホが増えてきた。中国OPPOや中国・小米科技(シャオミ)、シャープなどから5万円前後の価格帯の5Gスマホが登場している。5G普及に向け端末価格の壁が崩れ始める一方、5Gならではの端末の進化は見られない。コンシューマー主導で進化してきたモバイルの歴史が、終焉(しゅうえん)を迎えているという指摘もある。 ミドルレンジ価格帯の5Gスマホが壁崩す 携帯電話は、ほぼ10年ごとに大きな世代交代を遂げる。ネットワークと端末、サービスの3つが次世代に切り替わることで、新たな世代の通信システムが本格的に普及する。その点で、携帯大手3社が2020年3月末に商用サービスを開始した5G