2011年12月16日のブックマーク (2件)

  • 若島正『乱視読者のSF講義』(2011) - キッチンに入るな

    若島正がSFについて書いた文章をまとめた。 タイトル通りにSFの短篇を1篇ずつ取りあげた12回の講義が前半に収められ、後半には、より広くSFを扱ったさまざまな文章と、特別にジーン・ウルフを論じたり語ったりしたものが集められている(ウルフの超短篇も訳載+読解されている――「ガブリエル卿」)。 といっても、SFに詳しくない私のような人間にもたいへん面白く読めた。それは乱視読者・若島正の姿勢が一貫してこのようなものであるからだろう。 《わたしがよりどころとする立場は、単なる小説読者として小説を丁寧に読むことであり、SFというジャンルの中だけにしか通用しない議論にはさほど興味はない。》p15 そういえば『乱視読者の帰還』(2001)にも、忘れがたい一節があった。 《作品を論じるにあたって、わたしは難解な批評用語を弄ぶつもりはない。丸い卵も切りようで四角というのは、わたしの趣味ではない。むしろ、丸

    takiko17
    takiko17 2011/12/16
  • 乱視読者のSF講義 - 基本読書

    SF大会だったかSFセミナーだったか。そこで行われた若島正さんのジーン・ウルフ論がとても素晴らしく、しかもそれはのちのちとして出版されるらしい──そんな話を聞いた時から僕はこのを待っていました。そう、ジーン・ウルフ論が読みたかったのです。 ジーン・ウルフの小説は、決して難しいわけではない、と思う。たしかに言葉の選択はどこか普通ではなく、筋は錯綜して 物語全体を通した細部の呼応、そして膨大な知識を元としているであろう出典元への言及、聖書との呼応。そういった要素がとにかく詰め込まれた作品群なのです。 最初にジーン・ウルフを読んだ時はその作りこまれた世界のほんの一端しか体験できなく、しかしいつかもっとちゃんと読み返したい、と強く意識させる何かがジーン・ウルフの作品にはあります。そのような秘密の一端が覗けるのではないかと期待して読み始めました。 いやいや、結果は期待以上。 ジーン・ウルフ論はも

    乱視読者のSF講義 - 基本読書
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    takiko17 2011/12/16