都市ガス中堅の静岡ガスは40年ぶりに基幹系システムを再構築し、2009年5月に稼働させた。狙いは、電力会社の「オール電化」に対抗するための営業力を強化することである。事業の成長を支えるシステムを整備すべく、社長直轄でプロジェクトチームを設置。利用部門からエース級を引き抜き、“オールスターチーム”を結成して取り組んだ。<日経コンピュータ2009年9月16日号掲載> 静岡ガスは、新たな基幹系システム「SG-ENECIS」を構築するために数十億円を投じた。売上高約1000億円の同社にとっては、決して小さくない数字である。 システム投資としては創業以来、最大規模であり、社運をかけた一大プロジェクトだ。同社の岩崎清悟社長が旗振り役となり、「新システムで競争力を高め、投資額以上に収益を伸ばす」と全社員にはっぱをかけた。 「ここ最近は、新築1戸建ての半分近くを東京電力や中部電力の『オール電化』に取られて