「命にかかわる内容にも関わらず、医師と患者で意思疎通ができていない」と、独立行政法人・国立国語研究所(東京)が、難解だったり誤解が多い医療用語を分かりやすくしようと、言い換えに取り組んでいる。医師への調査で、特に患者に理解されていないとみられる50〜100語程度をピックアップ、どのように分かりにくいのか分析し、言い換えたり、説明する方法を検討している。来年春ごろに結果を公表し、全国の医療現場にも用語解説の手引を配布する計画だ。 〈ケース1〉 「合併症」(ひとつの病気に関連して起こる新しい病気や病症)がでる可能性があると患者家族に説明したら「手術失敗ですか」と聞かれた。 〈ケース2〉 「頓服」(症状が出たときに必要に応じて服用する)の意味が理解されず、1日3回定期的に内服していた。 〈ケース3〉 患者らに「ホスピス」(終末期ケア・緩和ケアを行う施設または在宅ケア)をすすめたところ悲観的な態度