人型ロボット(ヒューマノイド)は何の役に立つのか? ホンダの「アシモ」が登場して以来、常にそう問われてきた。だが、福島原発事故でその見方は一変し、ヒューマノイドこそが人間の代わりに災害現場で活躍できるロボットと世界が注目するようになった。最も進んだヒューマノイドであるアシモの「三つの優れた能力」について、開発を統括する、本田技術研究所基礎技術研究センターの重見聡史・第5研究室室長に聞いた。 インタビュー/長坂邦宏 nikkei BPnet編集 文・構成/宮島 理 人とぶつかるのを避ける能力 ――人型ロボットのアシモ(ASIMO)はどのように数えるのですか。1台、2台? 重見聡史さん(以下、重見) 「1体、2体」というふうに数えています(笑)。 ――現在、新型アシモは何体存在しているのですか。 重見 まだ研究段階のプロトモデルなので、10体以下ですね。 ――2011年11月に登場した現在のア