大阪の裏名物でもある飛田や松島などの「新地」の歴史を紐解くうちに「神崎新地」という場所の存在を知ったのだが、いかんせん場所も遠い上に壊滅してしまったと聞いていたのでなかなか足が向かなかった。 その場所は大阪市西淀川区、豊中市と境を接する兵庫県尼崎市戸ノ内町。地図で見ると何とも微妙な立地で、猪名川と旧猪名川、それに神崎川と3つの川に挟まれた三角州になっていて、橋を渡らなければどこに行く事も出来ず、北側に繋がる唯一の陸地も阪急神戸線でぶった切られている。 尼崎市に属する割に普段の交通便は大阪市側に出る毛斯綸(モスリン、綿や羊毛の織物の意)大橋の方が近く、ちょっとした飛び地状態になっている変な場所だ。鉄道駅の最寄りも毛斯綸大橋経由でJR東西線加島駅に出るのが一番近い。 戸ノ内町には尼崎市交通局のバス路線があって阪急園田駅や阪神尼崎駅からもアクセス可能であるが、尼崎市全体から見るとこの土地はかなり