(フィナンシャル・タイムズ 2012年9月18日初出 翻訳gooニュース) ジャミル・アンダリーニ 先週から中国各地で燃え上がった反日感情と怒りのまっただなかにあって、過去に似たようなことがあった時には聞こえなかった通奏低音が静かに、しかしはっきりと聞こえている。中国中間層のバラードとでも呼ぼうか。 中国では何十年も前から、中国共産党が容認する抗議行動は外国に対するものだけだった。共産党は、国営メディアによる扇動的な報道を通じて定期的に対外国デモをけしかけて、後方支援さえしていた。 たとえば1999年にアメリカがセルビア・ベオグラードの中国大使館を爆撃した時がそうだったし、日本との間で無人島群をめぐる領土紛争が緊迫した2005年も同様だ。そして今また両国は、同じ無人の諸島をめぐってもめている。 そのほかにも中国で愛国的な情熱が爆発するたびに、外から観察する人間の目には同じ光景がはっきりと映