思い切った継投である。 履正社(大阪)は1回戦の地球環境(長野)戦。3人の投手を3イニングずつ登板させるという奇抜な継投策をとり、見事に勝利を挙げた。 「ピッチングコーチと相談して、大会前から登板の順番も決めていました」と履正社・岡田龍生監督は明かす。3人の投手を3イニング限定で登板させることにより、相手を幻惑させる。絶対的な実力を持つエースがいないチームでも、この戦い方なら勝てるのではないか……。 履正社の戦い方は鮮烈だった。 3月29日の2回戦、優勝候補筆頭の愛工大名電(愛知)を前にしても、岡田監督に迷いはなかった。 試合前、継投策について、こう話していた。 「試合展開で継投のタイミングが変わることがあるかもしれませんけど、試合がこちらの思う通りに運べば、3イニングずつでと考えています」 登板した投手が打たれた場合には早期の交代もあるが、「基本は3イニング」。岡田監督の腹は決まっていた