研究者の研究を助成する目的で公布される「科学研究費助成事業(科研費)について、その交付を巡り「不正使用」「無駄遣い」「反日研究」などという言いがかりにも近いバッシングがSNSを中心に巻き起こっている。 この科研費バッシング、昨年末に産経新聞が日韓歴史問題を扱っている科研費課題を「反日研究」であるとした記事を出したのが発端と見られている。さらにこれを、アパホテルの「真の現代史観」懸賞論文で大賞を受賞したこともある自民党の杉田水脈衆院議員が国会で取り上げたことで火が点いて、フェミニズム研究者であり「慰安婦」問題や性と暴力の問題、それにとりくむ女性たちの運動を研究してきた大阪大学の牟田一恵教授や、民主党のブレーンを務めていたこともあり、反自民的な発言で知られる法政大学教授の山口二郎氏の研究などが「不正に使われている」などとやり玉に挙げられている。 実際の所、このバッシングは言いがかりに近い。まず