絶滅が危惧されるニホンウナギの資源保護をいかに進めるか。日本は最大の消費国として、リーダーシップを発揮せねばならない。 ニホンウナギは太平洋沖で 孵化 ( ふか ) し、稚魚は黒潮に乗って東アジア沿岸の河川を目指す。これを日本や中国、韓国、台湾の業者などが捕獲し、養殖池で育てている。日本の市場に出回る成魚は、ほとんどがこうした養殖ものだ。 稚魚の国内漁獲量は、50年前の10分の1に激減した。乱獲が主因とされる。国際自然保護連合(IUCN)は2014年、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定した。 資源の回復が見込めなければ、野生動植物の保護に関するワシントン条約に基づき、国際取引が規制される可能性がある。 今秋の締約国会議に向け、欧州連合(EU)は実態調査を提案している。3年後の次回会議では、取引規制が現実化しかねない。強制措置により、生産・消費両面で大きな打撃を被る前に、有効な保護策を打ち出すこ
静岡市の田辺信宏市長は22日の定例記者会見で、市消防航空隊が2013年、富士山で滑落した登山者を救助中にヘリコプターから落下させ、この登山者が死亡した事故を受け、再発防止策として、市消防局がヘリで救助できる山の高さに3200メートルと上限を設けたことを明らかにした。 事故は13年12月、富士山の高さ3500メートル付近で、京都府のグループ男女4人が滑落し、市消防航空隊のヘリが救助している際に起こった。隊員が京都市の男性(当時55歳)をヘリにつり上げ、機体に収容する際に救命用具が外れ、約3メートルの高さから落ちた。 男性は翌日、心肺停止の状態で発見され、その後、死亡が確認された。 この事故では、死亡した男性の遺族が昨年12月、静岡市消防航空隊の救助活動に問題があったとして同市を相手取り、約9170万円の損害賠償を求める訴訟を起こしている。 静岡市によると、消防航空隊はこの事故の際、相互応援協
大阪市が、同市浪速区の人権啓発施設「大阪人権博物館(リバティおおさか)」を運営する公益財団法人に対し、市有地からの同館の退去を求めて、今月下旬にも大阪地裁に提訴する方針を固めたことがわかった。展示内容の変更などを巡って意見がくいちがい、市は無償貸与してきた市有地を4月から有料化したが、財団が支払いに応じなかったという。閉館に追い込まれる可能性もあり、財団は「訴訟は遺憾」としている。 同館は、大阪府や市、部落解放同盟府連合会などが出資する財団法人・大阪人権歴史資料館(1982年設立、現・大阪人権博物館)が85年に開館した。 「人権問題の生きた教材、学習の場を提供し、広く人権意識の啓発の場としていく」ことを目的に、展示室やホール、研修室を備え、人種や障害、病気などを理由に差別を受けてきた人々の主張を紹介する映像や文章など約3万点の資料を収蔵。市は開館以来、市有地(約7000平方メートル)を財団
大阪市が、市水道記念館(東淀川区)で飼育する天然記念物イタセンパラの人工繁殖事業を7月で終えることがわかった。2005年7月から10年計画で取り組んでいたが、経費削減で記念館が休館し、事業も継続しないことにした。当面は飼育するが、数年後には死滅する見通しだ。専門家からは、希少生物の保護に自治体や国が積極的に関わるよう求める声が上がっている。 イタセンパラは、淀川水系や岐阜県・愛知県、富山県の3地域に生息するが、数は激減、環境省が絶滅危惧種や国内希少野生動植物種に指定した。種の保存法に基づき、施設内での人工繁殖といった保護増殖事業が3地域で進められている。 同記念館では05年にイタセンパラの同事業を環境省に申請し、現在、約800匹を飼育。しかし、大阪市の橋下徹市長の市政改革で運営が見直され、12年4月に休館が決定した。 1995年の開館後、淀川水系の魚や水草などの生物約160種を飼育、一般公
J1の浦和―鳥栖戦が行われた埼玉スタジアムで8日、「JAPANESE ONLY(日本人のみ入場可)」という人種差別ととれる垂れ幕が掲げられた問題で、浦和の淵田敬三社長は10日、都内のJリーグ事務局を訪れ、掲示した人物を特定して事情を聞いていることなどを報告した。
東日本大震災で被災した岩手県山田町から、被災者の緊急雇用創出事業を受託したNPO法人「大雪(だいせつ)りばぁねっと」(北海道旭川市、破産手続き中)で多額の使途不明金が見つかった問題で、県警は、法人の岡田栄悟・元代表理事を業務上横領容疑で4日にも逮捕する方針を固めた。町は3日、宮古署に告訴状を提出した。 捜査関係者によると、町から受けた2012年度の事業費約7億9000万円のうち3000万円が、岡田元代表理事の親族が代表取締役を務めるリース会社に支払われ、私的に流用された疑いがあるという。 法人を巡っては、県や町の調査で、11、12年度の事業費計約12億2000万円のうち約6億7000万円が、不適切な支出だったと指摘されている。 法人側はこれまでの読売新聞の取材に対し、「不正な支出や私的な流用はない」と説明している。 法人は12年末、雇用していた被災者ら137人の給与が払えなくなり、従業員全
ペットとして人気がある外来種のミドリガメについて、環境省は輸入や飼育を禁止する方針を固めた。 野外に放されたミドリガメが、もともと日本にいたイシガメを準絶滅危惧種に追いやるなど生態系を壊しているからだ。 ただ、数十万匹とみられるペットの飼育を禁じるのは初の試みで、混乱も予想される。同省はまず輸入を禁じ、飼育禁止は後回しにする考えだが、カメを処分したい人や飼い続けたい人にどう対応するのか、頭を悩ませている。 ◆寿命は40年 ミドリガメは北米原産の外来種で正式名称はミシシッピアカミミガメ。ペット店や露店で1匹500円ほどで売られている。寿命は40年ほど。子ガメは5センチ前後だが、成長すると30センチほどになり、家庭用の小さな水槽で飼うことが難しくなる。多くが川や池に放されて増殖したとみられ、国内のカメで最も多い種類になった。 日本固有種のイシガメに比べ、ミドリガメは一度に2倍の量の卵を産むなど
食用フグの最高級品といわれる日本近海の天然トラフグが、資源量枯渇の危機に直面している。 全国の水揚げの約4割が集まる「フグの本場」として日本一の取扱量を誇る山口県下関市の南風泊(はえどまり)市場では、2012年度の取扱量が過去40年間で最低となり、ピーク時の6%にまで激減した。乱獲が原因とみられ、専門家は「このままでは絶滅してしまう」と警鐘を鳴らしている。 トラフグの漁場、日本海や瀬戸内海に面する下関市の南風泊市場は、日本最大の天然フグの市場として圧倒的な取扱量を誇る。連日、山口や福岡県沖を始め、遠くは秋田県沖でとれたフグも水揚げされ、「下関ブランド」のフグを求める大消費地・首都圏などへ出荷されていく。 だが、山口県水産研究センターによると、取扱量は1987年度の1891トンをピークに減少傾向が続き、2008年度以降は100トン台で推移。12年度は109トンまで落ち込み、統計が残る1971
アルコール性肝硬変が原因で肝臓移植を受けた患者のうち、2割以上が手術後に再び飲酒を始め、うち7割近くが再び血液検査などで肝臓に障害が表れるほどの飲酒量だったことが、日本肝移植研究会の調査で分かった。 国内での大規模な調査は初めて。 調査は、1997年11月~2011年12月にアルコール性肝硬変が原因で肝臓移植を受けた37医療機関の患者のうち、退院できずに亡くなった人などを除く140人を分析した。その結果、32人(男性23人、女性9人)が移植後に再び飲酒を始め、うち21人(男性14人、女性7人)が血液検査などで肝臓に障害が表れていた。飲酒を始める時期は移植後1か月~1年半に多く、中でも半年後が最多だった。肝臓に障害を来すほど飲酒した人の生存率は5年で下がり始め、10年では飲酒していない人の3分の1以下だった。 調査した東京女子医大消化器外科の江川裕人教授によると、移植前に患者は「再飲酒しない
10日午前8時57分頃、福岡県宗像市大井の市道で、同市池浦、看護師中野ちずみさん(55)が、自分の運転する軽乗用車にひかれ、病院に搬送されたが、死亡した。 県警宗像署の発表によると、中野さんは、前輪が右側の側溝に脱輪したため、運転席のドアを開け、右足を車外に出し、左足でアクセルを踏んでバックしたところ、ドアに体がぶつかって車外に投げ出され、前輪に胸をひかれたらしい。
道路の側溝に身を隠し、鉄製の蓋の隙間から、上を歩く女性のスカートの中をのぞいたとして、兵庫県警東灘署は6日、神戸市東灘区の会社員、平井泰臣容疑者(26)を県迷惑防止条例違反容疑で逮捕した。 調べに対し、「これまで何度ものぞいていた」と容疑を認めているという。 発表によると、平井容疑者は5日午前10時10分頃、甲南女子大(神戸市東灘区)近くの側溝(幅約30センチ、深さ約50センチ)に入り、鉄製の蓋の穴(縦2センチ、横10センチ)から上を歩く20歳代女性のスカート内をのぞいた疑い。 女性が、蓋の穴から人間の目が見えていることに気付き、110番した。平井容疑者は4月にも側溝に潜んでいるのが見つかり、通報で駆け付けた同署員に「百円玉を落としたので探していた」などと説明。6日に同署が再び事情聴取したところ、「5日は仕事が休みだったので、午前8時頃から溝にこもって女性の下着を眺めていた」などと供述した
母校の中学校の窓ガラスを割ったとして、神奈川県警は13日、いずれも15歳で同県小田原市に住む県立高校1年と大工の少年2人を建造物侵入、器物損壊容疑で逮捕した。 発表によると、2人は3月8日夕から翌9日未明、市内の中学校に侵入し、鉄パイプや金づちで校舎の窓ガラス計53枚(総額約111万円相当)を割った疑い。2人は「やったことは間違いない」と話しているという。 8日は同校の卒業式で2人とも出席していた。大工の少年は「聞いていた歌に、夜に校舎の窓ガラスを割るという歌詞があり、市内の他の中学校でも同じような事件があったので思いついた」と話しているという。 小田原市内では昨年以降、中学校で窓ガラスが割られるなどの事件が続発。今月1日には、別の中学校で水道蛇口を開放し校舎内を水浸しにしたとして、中学2年の女子生徒2人が器物損壊などの非行事実で児童相談所に送致されるなどしている。
岡山県立玉野光南高(玉野市)の男性教諭(52)が2、3月、生徒に体罰を加えた同高教諭2人のことを、別の生徒の保護者や親族を名乗ったうえ誇張した内容で県教委などに「告発」していたことがわかった。 県教委は、男性教諭の行為が名誉毀損(きそん)にあたるとして処分を検討している。 県教委が7日、県議会委員会で報告。男性教諭は運動部顧問の教諭2人が部員を平手でたたくなどした体罰を知り、2月18~25日に計4回、県教委に電話。けがはなかったのに、「平手でたたいて鼓膜を破った」などと誇張して伝えた。 3月には、伊原木隆太・同県知事や下村文部科学相らに同様の内容の手紙を郵送し、2人の懲戒処分と校長の罷免を求めたという。 男性教諭が、自分の携帯電話を使っていたため発覚。県教委の調べに対し、男性教諭は「激しい体罰があったのに、校内で隠蔽していると思い込んでいた。電話した際、『名前を言わないと応じられない』と言
民主・海江田代表「今週の初め少し憤ることがあったので、心の平静を取り戻す意味で写経した。奈良市の東大寺に送ろうと考えています」(平野達男前復興相が離党届を提出したことに関連し、記者会見で)
ウナギの稚魚「シラスウナギ」の今期の漁期が終わり、採取量は過去20年間で最も少なくなる見通しとなった。4期連続の不漁で、漁師や養鰻(ようまん)業者の間に不安の声が広がっている。(金堀雄樹) 県内のシラスウナギ漁は昨年12月6日に解禁され、今月21日までの105日間、宮崎市の大淀川や延岡市の北川など約20河川の河口で行われた。 県水産政策課によると、20日までの採取量は162キロ・グラムで、昨期の251キロ・グラムを下回り、記録の残る1994年度以降で最も少なかった。2009年度から減少に歯止めがかからず、全国的にも同じ状況。原因は分かっていないという。 大淀川河口などでシラスウナギ漁に携わる漁師約270人が所属する宮崎内水面漁業協同組合の藤代須磨男組合長は「1匹も取れない日が2、3日続くこともあった。収入が減ってアルバイトで生計を立てる組合員もいる。『来季こそ』と我慢してきたが、そろそろ限
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