はじめに、理不尽の元凶と考えられる「対称性の錯覚」について簡単に紹介します。対称性の錯覚というのは、本来対称でないものを対称だと錯覚しているということです。では対称とは何か?ここでの意味を簡単に定義すると「二者の関係性が同等である」ことです。つまり、A→BとB→Aが同じであるということです。 例えば東京から大阪に行くのと大阪から東京に行くのとでは時間も交通費もほぼ同じと言ってよいでしょう。ところがクリスマスから元日までの日数と元日からクリスマスまでの日数は大きく違います。これがここで定義する「非対称」であるということです。 ところが仮に、対称で当然だと思っていた東京~大阪の往復が実は非対称で、帰りに行きの3倍の値段をふっかけられたら「そんな馬鹿な話はない」と憤慨することでしょう。これが「対称性の錯覚」ということです。実際の東京~大阪間ではこのようなことは起こりませんが、実は「クリスマスと元
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