宇宙には「暗黒流動(ダークフロー)」という壮大な運動原理が働いているとする 理論がある。宇宙の外側に存在する観測不能な未知の構造が引き起こしているという 考えだが、その裏付けとなる新研究が発表された。 まず2008年に、科学者たちが「数百個の銀河団が時速360万キロで同方向に流れている」 という発見を報告した。 この不可解な動き、暗黒流動は、宇宙の質量分布に関する現在のモデルでは 説明がつかない。そこで研究チームは「銀河団は既知の宇宙の外側にある物質の 重力によって、強く引き寄せられている」という理論を唱えたのだが、これには疑問の 声も上がっていた。 今回、同じチームが、この暗黒流動の影響が以前の報告よりもさらに 遠く、地球から25億光年以上離れた宇宙まで及んでいることを発見した。 研究責任者でアメリカ、メリーランド州にあるNASAゴダード宇宙飛行センターの 天体物