チュニジア政変を契機とする民衆デモが中東各地に広がる中、イランが友好国であるシリアのアサド政権によるデモ弾圧を支援、その一方で親米政権のバーレーンやイエメンでは反体制派に浸透しようとしているとの見方が強まっている。米国が、政権と民衆の衝突が激化するこれらの国々に明確な立ち位置を示せない中、イランとしては混乱状況を利用して影響力を強化する狙いがありそうだ。 「シリアのデモ弾圧をイランが支援しているとの確かな情報がある」。米国務省のトナー副報道官代行は14日の会見でこう指摘。同日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルも、イランがシリアに対し、インターネットや携帯電話の使用を妨害する装置を提供しているなどと報道した。 ただ、シリアとの関係改善を模索してきたオバマ米政権は、アサド政権に「平和的なデモへの抑圧を非難する」(カーニー大統領報道官)などとする声明を出すだけで、弾圧を食い止める手立てを打て