カメラトラップが捕えた知られざる巨獣、オオアルマジロ。写真:Kevin Schafer/パンタナール・オオアルマジロプロジェクト オオアルマジロ (Priodontes maximus) は正真正銘の巨獣だ。体重は大型犬ほどもあり、体長は世界最大のリクガメを越える。だがその巨体にもかかわらず、アマゾン流域からパンタナールにかけての生息域に住む人々の多くはオオアルマジロの存在を知らず、伝説上の生き物だと思っている人すらいる。科学研究はおろか、そもそも人の注目を浴びることすらなかったのは、大型哺乳類には珍しい。しかし、生物学者アルナウド・デスビエスが世界初のオオアルマジロの長期研究に果敢に挑んだおかげで、この謎に満ちた生き物に関して多くの新しい知見がもたらされた。デスビエスは初めてオオアルマジロの繁殖を記録し、さらにはこの穏やかな巨獣が、さまざまな他種の生物にとって不可欠な生息環境を作り出して