私が初めてシリアを訪れたのはちょうど4年前、民主化を求め大きなうねりが起きている真っただ中だった。南部ダルアーの街で治安部隊が抗議する民衆に発砲した事件を受け、ダマスカス郊外やホムスのあちこちで街頭デモが広がっていた。みなが求めたのは、民主主義、人権、そして独裁に終止符を打つこと。中東・北アフリカ中で、同じような声が上がっていた。 大量逮捕も相次いだ。それでもまだ、ダマスカスには観光ビザで行くことができたし、ホテルでは旧市街の景色や古くからあるマーケットを楽しみにフランスから来ていた年配者のグループと一緒だった。スカーフを被る必要もなかった。当時は現地の女性も被っていなかった。