ロシアなどからペットとして輸入され、二〇〇五年に日本固有の生態系を乱す恐れがある特定外来生物に指定されたキタリスが、東京都と埼玉県境にある狭山丘陵全域に生息していることが、日本哺乳類学会の調査で分かった。周辺の森にすむ日本の固有種ニホンリスと交雑の可能性があり、学会は生息域が広がる前に駆除が必要と指摘。環境省は本年度内に対策の検討を始めることを決めた。(加賀大介) 学会によると、国内でキタリスのまとまった生息が確認されたのは初めて。学会の山田文雄さん(60)は「交雑が起きれば、ニホンリスの遺伝的特徴が失われる」と警告する。学会は、特定外来生物に指定されるまでペットとして日本に輸入、販売されていたキタリスが捨てられたり逃げ出したりして、野生化したとみている。 狭山丘陵は東京都東大和市、東村山市や埼玉県入間市、所沢市にまたがり、多摩湖と狭山湖がある。ニホンリスの生息は確認されておらず、周囲を市