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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/joyce (3)

  • イギリス人(の中年)の果てなき鳥への愛

    子供が虫に興味を引かれて立ち止まるのは、そういう年齢に成長したという確かな証し。イモムシの手触りを楽しみ、テントウムシを夢中で集め、アリをいじめて遊ぶ。 だから、ここ数年で僕が鳥に興味を持ち始めたのは、自分が中年になった証拠なんだと思う。これまでの人生の大半において、鳥なんか僕にとってはどうでもいい存在だった。かなりレアなケース、たとえば、大聖堂のてっぺんにハヤブサのつがいが巣を作っているよ、とか、公園の湖にカワセミがいた、とか誰かに言われた場合は、多少は興味を引かれたかもしれない。でも身近な鳥や庭に来るような鳥には、ほとんど興味ゼロだった。 それが変わってしまった。自分の庭を手に入れたのが、大きな転機だった。さまざまな「訪問者」を眺めるのが楽しくなったのだ。夏の夕方になるといつも美しい鳴き声が聞こえる。あまりに美しいので、鳥のなかで最高の鳴き声といわれるナイチンゲールだと思ったほどだ。結

    イギリス人(の中年)の果てなき鳥への愛
  • 今どきの大学生が背負う借金地獄

    多分、僕たち世代とイギリスの若い世代との最大の違いは、今の若者たちが膨大な借金を背負ってキャリアをスタートするという点だろう。僕はそれがすごく気になるし、若者がなぜもっと怒りの声を挙げないのかも、僕たちの世代がなぜ罪悪感を覚えないのかも、理解できない。 僕が大学に通っていた89~92年の間、学費は全て税金から支払われた。僕はオックスフォード大学で、授業料を1ポンドも払っていない。実際、僕の家は裕福ではなかったので、生活費の足しにと年間約2000ポンドの助成金まで受け取っていた。 信じられないかもしれないが、生活費はこれで十分まかなえた。カレッジの3年間のうち2年はキャンパス内の寮で暮らしたし、格安の学生堂やバーもあった(ビールは1パイント1ポンド以下だった)。それに素晴らしい図書館があったから、僕たちはを自分で買う必要もなかった。 大学には学生の研究旅行のための基金まであった。僕は2年

    今どきの大学生が背負う借金地獄
  • 知られざる少数民族「トラベラーズ」

    イギリスの作家ジョージ・オーウェルは、有名な「二重思考」という造語を考え出した。相反する二つの意見を同時に持つことができる、ということを意味する言葉だ。 オーウェルの反ユートピア小説『1984』に描かれた二重思考とはつまり、政権の言うことは真実ではないと国民が知りながら、それでも信じなければいけない、という状態を指している。状況は異なるけれど、僕は今、自分がこの二重思考に陥っていることを自覚している。 イギリスでは現在、世論を巻き込んだ10年越しの法的闘争が決着しようとしている。近々エセックス州当局が、デール・ファームと呼ばれる地域から数十組の家族を立ち退かせる見込みだ。彼らはこの地に不法に住居を建てて暮らしていた。 この一件は、ここ半年というものイギリスで大ニュースになっていた。著名活動家らが意見を戦わせ、有名なテレビジャーナリストたちが現地を取材し、多くの論説が新聞各紙をにぎわせた。

    tama_lion
    tama_lion 2011/10/13
    『必ずしも「好き」とは言えないマイノリティーをどの程度容認し、共生していくことができるか――そんな基準で社会の「寛大さ」は評価されるのではないか』
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