神奈川県教育委員会は21日、昨年11月に打ち出した県立図書館(横浜市西区)の閲覧・貸し出しの廃止を検討する方針を一部修正し、県民から要望の多い閲覧については存続する方向で検討することを明らかにした。調査研究のため数十部単位の資料をまとめて閲覧する利用者がいることや、市町村図書館に貸し出していない貴重な資料の閲覧継続を求める意見が寄せられた。
閲覧・貸し出しサービスの廃止にとどまらず、根拠法の適用除外も検討されていることが分かった県立図書館の再編案。“法の抜け穴”を突くような県教育委員会の手法に、専門家からは「説明責任を果たしていない」「県民に対する背信行為ではないか」と厳しい声が上がっている。 約7千の施設や個人が加入する全国組織・日本図書館協会(東京都中央区)の常務理事を務める山本宏義・関東学院大文学部教授は「事実上、県立図書館がなくなることを意味する」と、適用除外がもたらす影響を懸念。全国約900人の図書館員らで組織する図書館問題研究会(同千代田区)の三村敦美・神奈川支部長は「根拠法を軽んじた禁じ手で、行政としておかしい」と批判する。 図書館情報学が専門で、国立公文書館館長を務める高山正也慶応大名誉教授も「話が飛躍しすぎではないか」と驚く。高山名誉教授は当初、県教委の方針に一定の理解を示していた。閲覧・貸し出しの代わり
県が県立図書館2館の閲覧・貸し出しサービス廃止方針を打ち出している問題で、県教育委員会が2館を法律上「図書館」の適用から除外する再編案を「選択肢の一つ」として検討していることが、20日までに分かった。閲覧・貸し出し廃止が図書館法に抵触する恐れがあるためだが、同法が都道府県立の図書館設置を前提としている中、適用除外となれば全国でも前例のない事態となる。 図書館法とそれに基づく文部科学省の基準は、図書館を「一般公衆の利用に供する施設」として、住民に図書などの閲覧・貸し出しサービスを行うと規定している。一方、設置自体は自治体に義務付けていない。 県教委が昨年11月に閲覧・貸し出しの廃止方針を明らかにして以降、複数の市民団体が「閲覧・貸し出しの廃止は図書館法に抵触する」と指摘してきた。 神奈川新聞社の取材に対し、県教委はこうした指摘への対応として「法律上の図書館の位置付けを外すことも選択肢の
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く