新型コロナウイルスによって使われるようになった言葉に「不要不急」があります。真っ先に挙げられた施設の一つが美術館や博物館です。在宅ワークやオンライン会議などが推奨される中、実際に足を運んでもらうことで成り立っていた場所で働く人はどんな思いでいるのでしょうか? 「命を守ることは当然であり、休館再開のめどがたたないことは了解しています。その上で、みんな、自分で考えなくなっているのが気がかりです」。誰も来なくなった館内で取材に応じてくれた日本新聞博物館の館長、尾高泉さんに緊急事態宣言が出る前の3月30日に話を聞きました。 「不要不急の用事に……」 日本新聞博物館は、集団感染が起きた大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が停泊していた横浜港の近くにあります。 「2月のはじめごろ、休憩中に桟橋から船をよく見ていました。身近ではありましたが、その頃はまだ、ひとごとという感じでした」と振り返ります。
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