ソフトウェアの部品化という信仰 ソフトウェアの部品化で何回失敗すれば気が済むのだろう。 経済産業省のとある外郭団体の委員をしている方と話をしていたら「我が国のソフトウェア産業を改革するためには、ソフトウェアの部品化を推進しなければならない」と話していた。うーん……ソフトウェアの部品化かぁ……。正直、頭をよぎったのは1980年代後半に国内のソフトウェア部品の集積を目指して立ち上げられたが、失敗した「Σ(シグマ)プロジェクト」だ。 ハードウェアにおいても部品化は生産性向上をもたらさなかった そもそも、ハードウェアにおいても、部品化は必ずしも生産性向上をもたらさなかった。「“標準”の哲学―スタンダード・テクノロジーの三〇〇年 (講談社選書メチエ (235))」によれば、元々、製品の一個一個に使われる部品には互換性が無かったらしい。高い製造技術が無かったため、製品毎にすりあわせで調整して作られた。