タイの「難民キャンプ」から8月下旬にラオスへ送還されたブアセン・リーさん(手前)=ラオス中部トンナミ村、山本写す 【バンコク=山本大輔】ラオス政府による「迫害」を訴えて04年以降、タイ北部に大量流入した少数民族モンの処遇をめぐり、両国の国防相が11日、キャンプにいる全員を年内に強制送還することで合意した。欧米諸国などは「難民」として保護するよう求めてきたが、両国は「不法入国者」との位置づけを変えなかった。人権団体などは送還後の弾圧を懸念しており、両国への批判が強まりそうだ。 合意文書によると、対象はタイ北部ペチャブン県フアイナムカオ村のキャンプにいる4700人。タイ政府は06年以降、17回にわたり3095人を送還しており、今回の合意で合わせて8千人近くが送還されることになる。再越境を防ぐ手段を共同で講じることでも一致した。 ベトナム戦争時に米国に協力してラオスの共産主義勢力と戦ったモ