判決の後、記者会見をする愛媛県警の仙波巡査部長=高松市丸の内の県弁護士会館 愛媛県警の不正経理を内部告発した直後に報復人事を受けたとして、巡査部長の仙波敏郎さん(59)が県に100万円の慰謝料を求めた訴訟の控訴審で、高松高裁は30日、全額支払いを命じた一審・松山地裁判決を支持、県の控訴を棄却した。矢延(やのぶ)正平裁判長は「配置換えは嫌がらせ、見せしめのためと推認される」とし、再び違法と認定した。 判決は05年1月の配置換えについて、内示は内部告発のわずか4日後で、新たな係を県警通信指令室に設けたと指摘。「新設に緊急の必要性は認められず、定期異動を外れた時期に、新たな職務を意に反して経験させる意味があるか疑問だ」と述べ、必要性や合理性がないと判断した。 仙波さんの勤務成績が下がり、勤勉手当が減額されたことについても「成績が良くないことの裏付けがなく、注意や処分をした形跡もない」と述べ