日本でのEV SSL導入の進み具合は米国と比べると遅い。発端が米国にあり、次いで日本に上陸する以上、タイムラグは当然なのだが、ほかにも日本ならではの促進阻害要因があるようだ。第三回では、日本の商習慣・法的枠組みに対応した普及活動を行う有限責任中間法人 日本電子認証協議会(以下、JCAF)に、活動方針や課題克服に向けてどう取り組むのか、また今後の展望をどう見るのかなどについて話を聞いた。 ■ JCAFの設立経緯とその役割 フィッシングサイトでのSSL証明書悪用。その原因はもっぱら、技術的仕様はあれど、発行審査プロセスのガイドラインが存在しなかったためだ。このため、審査は認証局ごとにバラバラになってしまった。この問題を解決するために、世界の主要認証局、Webブラウザベンダにより、米国でEV SSLの普及、仕様策定などを行うCA/Browser Forum(以下、CABF)が設立された。 CAB