ブックマーク / note.com/miuranozomu (3)

  • 魂を込める。文章表現はそれだけで良い。|三浦 希

    囲い込むつもりはない。独占しようともしない。プレミアが付いた自分を誇示するでもない。お山に登って胸を張り、上から眺めて自己を誇大するでもない。 文章には、魂が込められているべきだ。熱く滾る心が、寂しく翳る心が、燦燦と煌めく心が込められているべきだ。それにつき、構成云々、使う言葉云々は関係無い。たしかに、美しく組み立てられている文章は良い。言葉は正しく使われるべきだ。が、別に「必要」ではない。そこに気持ちがあれば、魂があれば、何だって良い。誤字があろうが、稚拙な表現だろうが、そこに人の体温があればきっと、何だって良いのだ。 自身、こと文章表現においては「質より量」にはまったく同意しない。アウトプット量、書く文章の量を増やせば自ずと質も上がっていくだなんて、夢のまた夢である。「とりあえず書く」なんて、口が裂けても言うんじゃねえよと思っている。もちろん方法の一つとして認められる理由もわかる。まっ

    魂を込める。文章表現はそれだけで良い。|三浦 希
  • 「自分は何者でもない」なんて、思わない方が良い。|三浦 希

    時計が両針を真上に、深夜0時を指している。そろそろ酒の一杯でも飲んで寝ましょうと思ったところに、女友達から連絡がひとつ。『電話しても良い?』 そもそも彼女には欠片の恋心も無かったが、正直若干興奮した。奮う気持ちを抑え「いいよ~~~」と返信する。波線が多い。平静を装うためである。 直後着信。なんとなくわざと3コールくらいを待って、電話に応える。『久しぶり』と切り出す彼女の声は、普段からハスキーではあったが、日々に比べて幾分低かった。聞くに、そこそこ元気が無いようであった。「久しぶり。元気?」『うーん、元気と言えば元気』「元気な人はそんな返事しないでしょう」『たしかに』「どうしたの なんかあった?」『あのねえ、』 なんか、会社の上司から『君は別に何者でもないの。だから、自分が個性的だとか、"自分ならでは" とか、思わないほうが良いよ』って言われて。別に自分のことを唯一無二の存在だと思ったことは

    「自分は何者でもない」なんて、思わない方が良い。|三浦 希
  • コンプレックスなんか、一個も無いです。|三浦 希

    御多分に洩れず、下北沢の居酒屋。『俺は三浦のバーターです』と言いながらいつも連れ合ってくれる友達と、チェーンの焼き鳥屋に入った。例のごとくビールを注文。串を数とモツの煮込み、たしか牛すじの煮込みも頼んだ気がする。あまりしっかり覚えていない。 『もう、当に彼女欲しいわ』とか、あそこの服がどうだがどうだとか、転々ばらばらでまるっきり生産性の無い会話をした。ちょうど居酒屋のテレビサッカーの親善試合を映していて、それを二人同じ顔をしながら観ていた時、彼が向こうを向いたまま口にする。『マリって国、どこにあるんだろうな』 まったく浮かばず、テキトーに「アフリカっぽいよね なんとなく」と言った。 酒が無くなり、店員さんに「ビール二つで」と注文したタイミングで、彼が僕に問いかける。 『三浦って、コンプレックスとかあるの?』 コンプレックス。なんとなくでしか認識できない言葉である。大学は英文学科だっ

    コンプレックスなんか、一個も無いです。|三浦 希
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