〈前編の続き〉 人気ラッパーとして多忙を極めるなか、突如として脳梗塞に見舞われ、左目を失明。腎臓も病み、40歳という若さで「余命5年」を告げられたダースレイダー。後編では、病気を経て辿り着いた独特の死生観と、彼の右目を通して見たオーシャンズ世代たちの生き方について話をうかがう。 万が一のリハーサル? 手術前夜「座頭市ライブ」を決行した理由 実はダースレイダー、左目の視力を失ってから1年後、今度は右目から出血。両目ともに見えなくなるという緊急事態に襲われていた。手術で右目の視力は回復したものの、手術前夜、ダースレイダーは何も見えない状態である試みに挑戦する。 「あのときは一時的に両目が見えなくなりました。医者からは『手術に失敗すれば、このまま両目の視力を失います』と言われていたので、そうなったときの予行練習というか、シミュレーションも兼ねて、何も見えない状態でライブをしたんです、手術前夜に。