裏紙を切ってつくった短冊に、 ひとり2枚ずつ願い事をかいた。 夫のは、具体的で自己完結型。 私に言わせたら、 いかにも夫らしく自分のことだけ。 私のは、抽象的でぼんやり。 夫に言わせたとしたら、 紙切れの上でもあいもかわらず意味不明。 (って感じだろう、きっと。) 娘のは、不自然なくらいいい子ちゃん。 私からみても、夫からみても。 ちぐはぐな家族の願い事。 物騒なニュースに胸をいため怯えたり、 親がぴりぴりするたびに、 子どもは一生懸命 いい子ちゃんになろうとする。 娘はふだん うんざりするくらいわがままで、 げんなりするくらいだらしなく、 ぐったりするくらいさわがしく、 いい子とは言いがたい。 なのにちょくちょく いい子ちゃんを演じ始める。 私はビクッとする。 今の娘と同じ年の頃の私は たぶんふだんから ずいぶんいい子ちゃんだった。 爆発したのはいつだったか。 その後、二度といい子には