今回はカードゲーム『王宮のささやき』について紹介してみたい。 『王宮のささやき(原題:Palastgeflüster)』はミヒャエル・リーネック氏の作品。日本語版としてローカライズしたのが本作だ。イラストなどもリメイクされているため、なんとなく日本人が作ったゲームかと思ってしまうが、れっきとしたドイツゲームである。 なお、リーネック氏は、アナログゲーム好きには非常に有名な賞である「ドイツゲーム大賞」を、2007年の『大聖堂(Die Säulen der Erde: das Kartenspiel)』という作品で受賞したボードゲーム作家である。この『王宮のささやき』も、受賞こそしていないものの、非常に面白いゲームに仕上がっている。 ドイツゲームの特徴のひとつとして、「シンプルだが奥深い、特徴的なゲームメカニクス」が挙げられる。ルール自体は短い時間で誰でも覚えられるものでありながら、それでいて