世界的な音楽家で脱原発運動などでも知られる坂本龍一を、東日本大震災後の2012年から5年にわたって密着取材したドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto:CODA」(スティーブン・ノムラ・シブル監督)が、イタリアで開催中のベネチア国際映画祭の「アウト・オブ・コンペティション部門」に出品され、3日に公式上映された。時代に先駆けて音楽にテクノロジーを取り入れ、数多くの映画音楽も手がけてきた坂本。自身の音楽活動を振り返る内容にもなった今作について、現地で朝日新聞のインタビューに応じた。 ――ベネチア映画祭では先日、小津安二郎監督の「お茶漬(ちゃづけ)の味」の4K復刻版の上映がありました。上映前のイベントで坂本さんは「昔は小津映画の音楽が気に入らず、自分で作り直したいと思っていた。でも今は自分の考えが間違っていたとわかった」と語っていました。 20年以上前に、(現代音楽家の)武満徹さん