2014年05月18日00:06 カテゴリ本 戦争が平和を実現した 集団的自衛権についてEconomist誌もコメントしているように、英語でpacifismというのは、日本語でいえば「平和ボケ」という意味に近い。平和主義によって平和が実現できるとは限らない。歴史はその逆を教えているのだ。 本書はスタンフォード大学の考古学の大家が書いた、最近の「戦争史観」のサーベイである。本人も序文で認めるように、内容は『文明と戦争』の二番煎じだが、それより短く時系列で整理されているので読みやすい。20年前にKeeleyの"War before Civilization"が出たときは大論争を呼び起こした説が、今では学問的に確立され、歴史の見方を大きく変えつつあることがわかる。 20世紀の戦争に関連する死者は合計1~2億人にのぼるが、延べ人口の1~2%で、石器時代より90%以上少ない。次の図のように、石器時代