経団連の米倉弘昌会長は19日、6月3日の退任を控えた最後の記者会見で、政府に要望し続けた環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加など、経済連携の推進を2期4年の成果に挙げた。一方、「心残りは日中関係」と述べ、2012年9月の沖縄県・尖閣諸島国有化以降、最も心を砕いた中国との交流が一時頓挫し、いまだに尾を引く現状を憂慮した。 米倉会長の任期中の海外訪問は23カ国33回に上ったが、このうち中国への訪問は12回と突出している。尖閣問題発生直後も、少人数で北京に飛び関係改善に努めた。米倉氏は「隣国とは相互理解を深めないといけない」と強調。後任の榊原定征東レ会長に対し、中国、韓国との隣国外交を最優先課題として託した。