免許証のICチップに対応して機械に表示された本人情報の画面。本籍に「北朝鮮」と表示されている(一部画像処理) 運転免許証で「朝鮮籍」の在日コリアンの本籍表示を「北朝鮮」と記したケースが、各地で見つかっている。朝鮮籍は植民地時代の朝鮮半島出身者に便宜的に付与された表記で、北朝鮮の国籍を意味しない。「なぜ北朝鮮と書かれるのか」という当事者の抗議の声を受け、各都道府県警は従来の「朝鮮」という表記に戻し始めているもようだ。
1937年の南京事件で、旧日本軍から多くの中国人を守り「南京のシンドラー」と呼ばれるドイツ人を描いた映画「ジョン・ラーベ」が5月17日、都内で上映される。ドイツ、フランス、中国が2009年に合作し、香川照之さんら日本人俳優も出演しているが、日本人の残虐行為などを描いた内容から、これまで日本では未公開だった。 ラーベ(一八八二~一九五〇年)は、南京駐在のドイツ人商社員。ナチス党の現地幹部であることを利用して、非武装中立地帯をつくり多くの中国人を保護した。映画には、香川さんのほか、杉本哲太さん、井浦新さんらが出演し、〇九年のドイツ映画賞で作品賞など四部門を受賞した。 中国人の首を切り落とすなど旧日本軍の虐殺行為をはっきりと描いているのが特徴だ。論争のある被害者数について中国政府が主張する「三十万人」と明示し「日本政府は被害の大きさを認めようとしない」と指摘した。
高校無償化の対象から朝鮮学校を外したのは違法だとして、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)の高級部二、三年生六十二人が十七日、国に一人十万円の賠償を求め東京地裁に提訴した。同様の訴訟は大阪や名古屋に次いで五件目。 高校無償化法は二〇一〇年に施行。他の外国人学校はすべて対象に指定されたが、朝鮮学校については三年近く議論が棚上げされ、昨年二月、拉致問題などを理由に正式に除外が決まった。訴えでは「意志のある全ての生徒の学びを保障するという無償化法の趣旨を根底から覆すもので違法だ」としている。 「教育を受ける権利に国境はないと思う」。原告に加わった二年男子生徒(17)は言う。日本人の友人も多く、日常生活での差別は感じないが、無償化除外は日本政府の差別だと実感した。三年女子生徒(18)は「日本の人たちにも私たちの思いを知ってほしい」と訴える。同校生徒の六割は韓国籍で、両親の一方が日本人で日本国籍を持つ生
本紙は二月九日投開票の東京都知事選挙を前に、都政や国政に関する世論調査を行った。投票について「必ず行く」と「たぶん行く」と答えた人が合わせて93%に上り、関心の高さを示した。都知事にふさわしいと思う人は誰かを聞いたところ、半数は「決めていない」「分からない・無回答」と答えたものの、元厚生労働相の舛添要一氏(65)を挙げた人が最も多かった。 調査では、都知事選への出馬を表明、または出馬が取り沙汰された人物を選択肢に挙げ、次の都知事にふさわしいと思うのは誰かを聞いた。舛添氏に次いで元首相の細川護熙(もりひろ)氏(75)、前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏(67)が続いた。 都知事に求められる資質には「実行力」を挙げた人が最も多く、次いで「発想力」と「行政経験」「調整力」と続いた。投票の際に重視する政策は「医療・福祉」「教育・子育て」「原発・エネルギー政策」「雇用対策」の順だった。
思わず耳を覆う暴言が新大久保の街に大音量で発せられた。「殺せ」「出て行け」-。数年前の韓流ブームの頃、歩道から女性客が車道にあふれるほどの活気を帯びた新宿区のコリアンタウンは今年、ヘイトスピーチの現場となり、街の色合いが一変した。 「『ゴキブリ』とか『出て行け』とか言っていた。悲しかったし怖くて、本当に韓国に帰ろうかと思った」。JR新大久保駅近くの韓国雑貨店の女性店員(27)はこう振り返る。 嫌韓デモは以前から行われていたが、過激化したのは二月以降。秋頃にかけ、日曜を中心に、多い日は数百人がヘイトスピーチを行った。「カウンター」と呼ばれる抗議活動も展開され、両者の衝突で逮捕者も出た。 街に落とした影は大きい。スピーチの集合場所の公園近く、台湾式マッサージ店の男性従業員(40)は「日曜日は道路が警官だらけで歩行者が路地に入れなかった。店はガラガラだった」。大久保通り沿いの韓国雑貨店の男性店長
飛べないように接着剤で細工したテントウムシを使い、農作物に被害を与える害虫のアブラムシを駆除する技術を、千葉県立成田西陵高校(成田市)地域生物研究部の生徒が開発した。テントウムシの個体への悪影響もみられないという。海外からも反響があり、年内にも特許出願する予定だ。(小沢伸介) 新技術は、学校周辺で簡単に捕獲できるナミテントウとナナホシテントウの背中に、熱で溶かした樹脂の接着剤を載せて固め、羽を広げられなくする。 十月下旬にハウスのイチゴ畑で始めた実験では、一平方メートルに二匹のテントウムシを放したところ、六十七匹いたアブラムシが一週間でほぼ全滅した。 これまでに約五百匹のテントウムシを実験で使ったが、死んだ個体はゼロ。実験後は、接着剤につめを軽く引っかけて取り外し、自然に戻す。その後の飛行や繁殖、四~五カ月とされる寿命にも影響はなかったという。 地域生物研究部は、一年半ほど前から研究を始め
トップ > 特集・連載 > 言わねばならないこと > 記事一覧 > 記事 【言わねばならないこと】 (2)弱さつけ込む恐怖 劇作家・平田オリザ氏 Tweet 2013年12月16日 人間というのは弱い生き物であり、特定秘密保護法はその弱さにつけ込むものだ。 官僚にも志の高い人はいる。国民のために政府の秘密を暴こうと思うこともあるだろう。でも彼らには家族も友人もいる。懲役十年が頭にちらつけば、周りへの迷惑を恐れて行動が鈍ってしまう。周囲の雰囲気にも流される。官僚に無言の圧力をかけるのが怖い。 この法律は市民を監視する公安警察の権力を拡大する作りにもなっている。私は軍事独裁政権時代の韓国に留学していたとき、デモ隊の横を歩いただけで警察官に呼び止められ、有無を言わせず身分証明書を要求された。恐怖を肌で感じた。日本もそうなっていくのではないか。 即座に生活に影響は出なくても、無言の圧力によって、気
九十九里町周辺の母親でつくる勉強会「子どもと一歩の会」メンバーの足立静香さん(31)=同町=は、三歳の娘を持ち、同法案や原発事故、環太平洋連携協定(TPP)に関心を持ってきた。
川崎市の福田紀彦市長が態度を示していない朝鮮学校への補助金をめぐり、川崎朝鮮初級学校のある川崎区桜本など「おおひん地区」で、継続を求める署名活動が行われている。 当事者の在日コリアンばかりでなく、取り組むのは地域住民。地域限定で約千人の署名を集めた。「補助金は市民感情が許さない」との言葉が補助金停止に使われる中、「市民感情といっても共に暮らす地域は違う。ひとくくりにしないで」の思いを乗せ、近く市に提出する考えだ。 二十年ほど前に地域の小学校のPTA会長を務めた土木設計業の男性(64)は「町に在日コリアンはとけ込んでいる」と署名の世話人を引き受けた。地域で三十年近く続く「日本のまつり」は、多くの在日コリアンやフィリピン人らが参加。朝鮮学校が市民を招く「大交流祭」もにぎわう。
自民党の石破茂幹事長は十一月二十九日付の自身のブログで、デモ活動について「単なる絶叫戦術はテロ行為と変わらない」と指摘した。テロの定義をめぐっては、特定秘密保護法案の条文のあいまいさが問題視されており、弁護士などからテロの範囲が広がりすぎることへの懸念が示されている。法案の審議が続く最中に、市民の活動をテロと同一視した記述は批判を集めるのは必至だ。 石破氏は「今も議員会館の外では『特定機密保護法絶対阻止!』を叫ぶ大音量が鳴り響いています」とした上で、「いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう」と指摘した。
【北京=白石徹】中国政府が「邪教」に指定するキリスト教系の新興宗教「全能神」が急速に信者を増やし、中国当局は対応に苦慮している。「巨大な赤い龍」(共産党のこと)を倒して新国家を樹立すると主張する全能神は、貧富の格差拡大を背景に勢力を伸ばしており、当局が対応を誤れば大きな社会不安を招く恐れもある。 中国政府関係者によると、全能神の信者は現在、百数十万人に上り、「組織の規則は非常に厳しく、内部管理も徹底している」という。信者は貧しい農民や農民工(出稼ぎ労働者)が多く、省レベルの指導者から県レベル、末端組織の指導者まで細分され、安徽省や陝西省など少なくとも全国二十二省・直轄市に広がっている。 全能神は脱退者を厳しく処罰する専門組織をもち、入会すると抜け出すのは難しい。中国当局が「一時は二百万人を超えていた」とする邪教指定の気功集団「法輪功」よりも強い組織力があり、映像や書籍を利用した宣伝も活発だ
九月一日、首都圏に甚大な被害をもたらした関東大震災から九十年を迎える。揺れや大火で壊滅状態となった首都圏では「外国人が暴動を起こした」といったデマから虐殺が起きた。七歳の時に被災した豊島区の長島花樹(はなき)さん(97)は「うめき声が今も耳の奥に残っている」と話す。 (杉戸祐子) 大震災から数日後、長島さんが栃木県内の親類を頼って避難するため、鉄橋の落ちた荒川を豊島区の自宅近くから、埼玉県側に渡し船で渡ろうとした時のこと。「ギャア」「ウーン」。川堤で日本人が朝鮮人を虐待する声が聞こえてきた。 目の当たりにはしなかったが、「ひどいことをしているのは子どもにもわかった」。背景にデマがあることは知っていた。「警官が『朝鮮人が井戸に毒を入れたから飲まないように』と言って回っていた。警察もすっかり混乱していた」
タイ・バンコクのスラム街にある唯一の古い図書館が、東京に住む日本人男性の寄付により全面改修される。スラム街の住民らが一昨年、東日本大震災の被災地に貴重なお金を寄付したと知った男性が「十倍のお返しがしたい」と約千百万円の寄付を思い立った。日タイの善意のキャッチボールで住民の夢が実現する。 (バンコク支局・杉谷剛) 首都の南に粗末なトタン屋根の家が密集する東南アジア最大級のクロントイ・スラム。住民が東日本大震災被災者のために募金活動を始めたのは二〇一一年三月十二日、震災の翌日だった。 呼び掛けたのはタイでスラム街の改善運動に長年取り組み「アジアのノーベル賞」と言われるマグサイサイ賞を受賞したプラティープ・ウンソンタム・秦(はた)さん(60)。日本人の夫を持つプラティープさんは「これまで多くの日本人に支援してもらったので、恩返しがしたかった」。約四十万バーツ(当時約百十万円)を被災地に寄付した。
東京・新宿で十六日、在日コリアンの排除を掲げるデモの参加者と、反対する団体の乱闘騒ぎがあり、警視庁新宿署は同日、暴行の疑いで、デモに参加する右派系グループ「在日特権を許さない市民の会(在特会)」会長、桜井誠(本名・高田誠)容疑者(41)=東京都江戸川区=ら、双方のグループの男女計八人を現行犯逮捕した。 デモは在特会などが参加し、月数回、JR新大久保駅周辺のコリアンタウンで行われていた。「朝鮮人は殺せ」といった差別的表現は「ヘイトスピーチ(憎悪発言)」と呼ばれ、反対する市民グループ「レイシスト(人種差別主義者)をしばき隊」との衝突が深刻化。先月下旬にも一人、逮捕者が出ていた。 逮捕されたのは、桜井容疑者ら在特会四人と、反対するグループ側の写真家久保憲司容疑者(48)=東京都世田谷区=ら四人。逮捕容疑では、八人は新宿区の路上で、別のグループの胸ぐらをつかんだり、メガネを払いのけたとされる。
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