「今まで隠していて申し訳ない」――。20年来の損失隠しがあったことを認めたオリンパス。ウッドフォード社長の解任からひと月足らずで、時価総額は4分の1に下落した。社外に知られていない事情はまだ多そうだが、社員たちは以前から会社にさまざまな疑念や反発を抱いていたようだ。 表面化した例として有名なのが「オリンパス内部告発訴訟」だ。2009年4月、オリンパスのH社員は、会社が取引先から「機密情報を知る社員」を引き抜こうとしているのを知った。そこで上司に「このままでは違法行為になる。会社の信用を失わせかねない」と懸念を伝えたが、聞き入れてもらえない。仕方なく社内の「コンプライアンスヘルプライン室」にメールで相談することにした。 社員タレコミの背景に「内部通報への不信感」? ヘルプライン室はあろうことか、H氏の上司と人事部に相談メールを転送。H氏は品質保証部門へ配置転換され、「H君教育計画」と題した書