世界的半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)が新工場を建設中の熊本県菊陽町。関連企業の進出も相次ぎ、2年で1兆8000億円とされる経済効果が期待される一方で、本紙「農家の特報班」には近隣の農業者から困惑の声が寄せられた。農地転用や農業用水への影響、人手の獲得競争といった懸念があるためだ。 「地域の発展は歓迎すべきだが、一農家としては困っている」 建設中のTSMC工場から約3キロ。菊陽町の隣の大津町で酪農と和牛の繁殖を営む田代幸大さん(42)はこう話す。計190頭の牛を飼い、20ヘクタールの牧草地を借りているが、地権者の要望で3ヘクタールを返却した。うち1ヘクタールは転用後に半導体関連企業の倉庫建設が決まっているという。 輸入粗飼料が高騰する中、自給飼料の生産が減れば経営への打撃は大きい。だが、他の牧草地にも不動産業者などから売買の交渉が相次いでいる。「最終的に半分以下の面積になってし
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