<弱った腸に健康な人の便を移植して耐性菌をストップ――画期的な治療法が経口カプセルでもっと手軽に> 抗生物質が効きにくいクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)は下痢や吐き気を引き起こし、死に至ることもある腸の病気。その治療に絶大な効果があるとして近年、他人の便を腸に移植する治療法が大きな注目を集めている。 CDIの原因菌であるクロストリジウム・ディフィシル菌に感染するのは、多くの種類の細菌に効果がある抗生物質を使った結果、有害でない腸内細菌までいなくなってしまうせいだ。米疾病対策センター(CDC)によれば、アメリカでは年間50万人が感染、1万5000人が死亡する。「院内感染による下痢の最大の原因」だと、アルバータ大学(カナダ)のディナ・カオ准教授は言う。 だったら腸が健康な人の便を移植して腸内環境を整えよう、というのが便移植療法だ。ぞっとするかもしれないが、大きな効果が期待されてい
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