大学における電子教科書の導入。青山学院経済学部では、2013年からの実験運用を経て、導入を拡大している。電子教科書の意義と課題について、青山学院大学経済学部長の宮原勝一教授に聞いた。 電子書籍の普及が着実に進む中、今、関係者が熱い視線を注いでいるのが教育分野、特に電子教科書だ。 日本国内でも政府が2020年までにすべての学校で1人1台のタブレットを導入したIT授業を実現することを目標に推進しており、業界内での競争が一層激しくなっている。 電子教科書分野では義務教育段階での取り組みに注目が集まりやすいが、最高学府である大学でも取り組みは進む。複数の大学による合同実証実験なども実施される中、青山学院大学(以下、青学)の取り組みは精力的だ。 青学では2013年9月、経済学部現代経済デザイン学科で、翻訳教科書『スティグリッツ公共経済学』(上・下)を電子化し、閲覧用のタブレット端末と合わせて、学生に