(ブルームバーグ): 米モンタナ州の核関連施設上空を中国の気球が長時間飛行したことを受け、ブリンケン米国務長官は予定していた中国訪問を延期した。 ブリンケン長官は来週前半、北京で会談を予定していた。実現していれば米外交トップによる5年ぶりの訪中だったが、気球の飛行で米当局者は現段階での訪中は誤ったシグナルを発することになると判断した。気球について米国防総省は撃ち落とさない決定を下したという。米国側は同気球を偵察用とみている。 ブリンケン氏は3日の記者会見で、中国の外交トップである王毅氏と電話会談を行い、「この偵察気球が米国領空にあることは、米国の主権と国際法の明らかな侵害」だと明確に伝えたと発言。「米国本土の上空に偵察気球を飛ばすという中国の決定は容認できないばかりか無責任にほかならず、中国訪問の目的を損なう状況を生じさせた」と説明した。