チェコと横浜で対戦する前日、日本代表FW李忠成はこう話した。「トップ下の選手に前を向いてボールを持たせること。そうすれば、いろいろな攻撃ができる」。新たな試みの中で、理想の点の取り方を尋ねた際の反応だ。この言葉から、チェコ戦は4-2-3-1の布陣で先発する可能性があるのかと想像した。 実際は2戦連続、3-4-3でスタートした。だが、トップ下はいた。本田圭佑である。中央に陣取る李はもちろん、岡崎慎司も相手守備陣の裏を狙っていた。だが本田は下がり目の位置を好み、ボールを多くさばくことに主眼を置いた。 後半に入ると、本田はさらに下がって、ボールを求めた。全体的にも、数字にとらわれて窮屈な印象が強かったペルー戦からは随分と印象が変わった。最終ラインのスライドもスムーズで、前試合のように相手FW1人に3人で対することもない。 ただ、攻撃が効果的だったかは別問題だ。4バックと違い高い位置からスタートす