『ドラゴンヘッド(1)』(ヤンマガKCスペシャル) 名作といわれるマンガの重要な要素、それは「伏線」ではないでしょうか。いかに作品中に多くの伏線をちりばめ、ラストまでに美しく回収するか、そして伏線が張られれば張られるほど作品は壮大になり、面白くなっていくともいえます。 もちろん、伏線を張りまくり、大風呂敷を広げまくった挙げ句にまったく回収されないまま打ち切られてしまったマンガもあり、これは世間的にはガッカリ作品の評価を与えられてしまいます。 ところで、世の中にはさんざん張りまくった伏線をほとんど回収することなく、むしろ「伏線? 張ってたっけ?」ぐらい開き直ったラストシーンを描いてるにもかかわらず、傑作と評される突然変異的作品も存在します。それが、今回ご紹介する『ドラゴンヘッド』です。 『ドラゴンヘッド』は望月峯太郎(現・望月ミネタロウ)先生による作品で、1994~99年の期間、「週刊ヤング