骨太でリアルな演技で知られた緒形拳さんが、亡くなった。デビュー当時から映画、舞台の一線で活躍が続き、日本を代表する実力派俳優だった。 緒形さんは、高校時代に新国劇の辰巳柳太郎さんの舞台を見たことで、俳優になることを決意した。卒業後アルバイトをしながら新国劇に入団。入団2年の60年「遠い一つの道」の新人ボクサー役で舞台でデビュー、同年この映画化でスクリーンデビューを飾った。男くさい、精力的な演技が評価され、仕事の自由を確保したいと同劇団を退団。テレビ、映画に活躍の舞台を移した。 一方で舞台でも、「王将」を77年から全国縦断公演するなど、数々の名演を残した。 納得できない作品には出演を拒否するなど硬骨漢としても知られ、新人を支援したいと低予算の映画にも積極的に出演。99年「あつもの」などは、海外の映画祭で評価された。 近年も舞台、テレビ、映画での活躍は続き、30日にもテレビドラマ「風のガーデン