【ニューヨーク共同=岡坂健太郎】核拡散防止条約(NPT)再検討会議の主要3委員会がまとめた最終文書素案のうち、世界の指導者らに広島、長崎の被爆地訪問を要請する部分が、12日に各国に配布された素案の改定版から削除された。中国の傅聡(ふ・そう)軍縮大使は11日、被爆地訪問要請の文案について「歴史を歪曲(わいきょく)するものだ」として削除を求めたことを共同通信に明らかにしており、改定版からの削除は中国側の主張を受けた措置とみられる。 各国指導者の広島、長崎への訪問は、岸田文雄外相が再検討会議初日の演説で各国に呼び掛けた。中国は、原爆の「被害」を強調する日本の姿勢に加害国としての「侵略」の歴史を覆い隠そうとする狙いがあると警戒しているとみられる。日本の代表団は対応を協議している。 傅氏は「(核兵器をめぐる)人道問題が、第2次大戦の偏った解釈を会議に押しつけようとする下心を持つ国の政府に利用されるこ