→紀伊國屋書店で購入 「村上春樹と数学入門」 書店の新書コーナーには昔から「あんたでも数学がわかるかも?」的ジャンルがある。はて。それほどみんなが数学をわかる必要があるのだろうか。この間、「日本人の9割は英語がいらん!」というような本が出ていたが、そういうことを言うなら、9割9分の日本人には(たとえ算数は必要であっても)数学は不要なのではないか。にもかかわらずこのようなジャンルが存在するのは、おそらく「数学できないコンプレクス」を刺激されると、つい手が伸びてしまう人がいるからにちがいない。 実は筆者もそのひとりである。「あんたでも数学がわかるかもよ?」と言われると、つい手が伸びるのだ。でも、たいがいは手は伸びても数頁めくっただけで、「やっぱり無理かも」とあえなく本を閉じる。ところが本書はその話の進め方の魅力に引き込まれて、珍しく通読してしまった。しかも、終わり近くになって、びっくりするよう