日本各地で被害が出た広域強盗事件では、実行犯の多くがインターネットの「闇バイト」の応募者だとみられている。なぜ凶悪犯罪にバイト感覚で手を染めてしまうのか。実際に募集サイトに潜入し、リクルーターとやりとりしたTBS調査報道ユニットの塩田アダムさんと、社会学者の宮台真司さんの対談をお届けする――。 なぜリスクを省みずに参入するのか ――塩田さんは取材のため闇バイトに応募し、2週間におよぶリクルーターとのやりとりを通じて得た詳細を〈闇バイト潜入取材2週間…TBS記者だと打ち明けると「さらわれて殺されますよ」〉というリポートにまとめています。お二人は、リスクを省みずに闇バイトに手を染める人たちの行動をどのようにお考えですか。 【宮台】僕が捜査一課から、塩田君が別ルートから得た情報が符合するので話します。 フィリピンから送還されて逮捕された指示役たちは首謀者でなく「真ん中」。「上」には暴力団が存在し