今国会冒頭の所信表明演説で、首相はこう訴えていました。 「新しい時代の日本に求められるのは多様性です」「多様性を認め合い、すべての人が個性を活(い)かすことができる。そうした社会を創ることで、少子高齢化という大きな壁も、必ずや克服できるはず」 いつもは政権に批判的な本コラムですが(それはメディアとして当然の姿勢だとも僕は思いますが)、この部分に関してはまったく同感。多様性を認め合う社会こそが少子高齢化を克服するカギだという点も異論はありません。 その肝になるのが家族のありようでしょう。近年は事実婚のカップルも増え、同性婚の実現を求めている人びともいます。婚姻関係にかかわらず子どもをもうけ、育てている女性も(あるいは男性も)いて、そうした家族の多様性を最大限認めつつ、子育ての環境を整えて社会的支援を分厚いものにしていく――。欧州の一部ではそれで出生率の低下に歯止めをかけたと伝えられています。