衆院予算委員会で辞任した荒井勝喜首相秘書官の発言について陳謝する岸田文雄首相=国会内で2023年2月8日、竹内幹撮影 「隣に住んでいるのもちょっと嫌だ」「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」などの差別発言で、荒井勝喜首相秘書官が更迭された。 単に「緊張感の欠如」や「緩み」、「失言」と軽んじる問題では、すまされない。 憲法が保障する基本的人権に関わり、岸田文雄首相の人権に対する考え方の問題であるからだ。 首相答弁の問題点 岸田氏は荒井氏の発言を「多様性を尊重し包摂的な社会を実現していく今の内閣の考え方には全くそぐわない言語道断の発言だ。性的指向だとか性自認を理由とする不当な差別、偏見があってはならない」と言い切った。 しかし、首相には性的少数者について「生産性がない」などと発言した杉田水脈氏を総務政務官に任命した過去がある。首相の言う「多様性」には、性的少数者は含まれていないのではないか