南北に長く、国土面積の約6分の1を占めるほど広大な東北地方。日本海側を縦断する高速道、新幹線はなく、太平洋側と日本海側を結ぶ交通網も整備されているとは言い難い。それを補完しているのが、各地を走るローカル鉄道だ。過疎化や燃料高、地震による風評被害など鉄道会社を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、みちのくの“毛細血管”は生き残れるのか−。現状を探った。(渡部一実) 「三陸鉄道ドッと混む(.com)」。会社のウェブサイト名は、電車の利用者が増えるよう願って名付けた。 岩手県沿岸部を縦に走る三陸鉄道(本社・宮古市)は、ユニークな集客方法で注目されている。車両内部に畳をしいて「お座敷」に改造したり、こたつを置いたり…。リアス式海岸など眺めの良い場所で列車を一時停止し、乗客に風景を堪能させるサービスもある。景色が見えないトンネルでは、運転士が地元出身の歌手、新沼謙治さんの歌を歌い、車内をにぎわす。 駅や