ラジオの未来はAM・FMでの同時放送か、それともデジタル放送への参入か-。ラジオの今後の展開をめぐる動きが活発になっている。3月に10年来の懸案だったデジタル化について民放連加盟社が一斉参入を断念し、AM局は相次いでFM活用の意向を表明。一方で、生き残りのためにデジタル化が必要との主張も根強い。広告収入の落ち込みにも直面する中、音声メディアの新たな活路が模索されている。(織田淳嗣)◇ ●懸案にコストの壁 「デジタル時代にアナログでいいのかという思いもあるが、現実的に考えると(コスト面で)大変なことだ」。3月12日、ニッポン放送の村山創太郎社長は会見でこう述べ、デジタル放送への参入見送りを表明した。 デジタル化の議論は古く、平成10年に郵政省(現総務省)が「テレビはデジタル移行、ラジオは防災に役立つアナログ放送を残し、新たにデジタル放送を導入」とする方針を