1 はじめに 政府はフリーランス人材を労働法の対象として保護する検討に入りました。フリーランス人材は事業主とされており、個人であるにもかかわらず、労働法制が適用されないという問題があります。本稿では、問題の背景、検討に入った経緯、関連する法制度、今後の展開を見ていきます。 2 問題の背景 (1) 一般労働者に与えられる保護 一般労働者は、企業と雇用関係に入ります。平成19年11月に成立した労働契約法は、労働契約のいくつかの原則を、同法の基本理念として明らかにしています。 -1- 合意の原則 労働契約は、対等な立場にある使用者と労働者が自主的交渉をすることによって成立します(労契法1条・3条1項) -2- 均衡処遇の理念 雇用形態・勤務時間の長短にかかわらず、就業の実態に応じた均衡を考慮すべきであるとされています(労契法3条2項)。 -3- 仕事と生活の調和の理念 人口減少により働き手は減少