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  • 飯田芳弘『忘却する戦後ヨーロッパ』書評

    「もし戦争を忘れないなら、多くの憎しみが現われる。もし戦争を忘れるなら、新たな戦争が起きる」(スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ*2) 飯田芳弘の近著『忘却する戦後ヨーロッパ』は、内戦とか独裁といった苦痛に満ちた経験を過去にかかえる国々がそうした過去にどのように対処してきたかという問題を「忘却の政治」という観点から政治史的に分析した書物である。対象としては、ドイツ・フランス・イタリアといった西欧諸国(第1章)、スペイン・ギリシャ・ポルトガルといった南欧諸国(第2章)、そして東欧の旧社会主義国(第3章)が取りあげられており、これら各論に先だって長めの序章が置かれている。 この主題の重要性についてはいうまでもない。《歴史・記憶・忘却等々をめぐる政治》ともいうべき一連の問題群は、ヨーロッパに限らず日を含め世界各地で熱心に論じられている。しかし、これまでのところ、多くの場合、それらは個別に取りあ

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